コラム

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施工管理者の仕事内容と労働環境改善の現状

2024.08.05

この記事では施工管理の一日の流れや施工管理のやりがいなどについて紹介します。

「施工管理ってどんなスケジュールで働いているの?」
「施工管理は残業が多いと聞いたけど、本当?」

など、施工管理の仕事内容に興味がある方は、この記事を読んで施工管理への理解を深めてみましょう!

施工管理の一日の流れ

施工管理の一日の流れを時間帯ごとに分けると、おおよそ以下のようになります。

  1. 朝(8:00~8:30)… 朝礼・スケジュール確認・業務引継ぎ
  2. 午前(8:30~12:00)… 現場巡回・写真撮影など
  3. 午後(13:00~17:00)… 現場巡回・打ち合わせ・事務作業

それぞれの時間帯とその業務について解説します。

1. 朝(8:00~8:30)… 朝礼・スケジュール確認・業務引継ぎ

工事は朝早くから始まる場合が多く、先に出勤する必要があるので、施工管理の朝は早めで8:00までには出勤の場合が多いでしょう。
建設現場に出勤したらまず朝礼を行います。
朝礼では当日行う工事の説明や、スケジュールについての説明現場の危険箇所の共有や、ヘルメット・安全帯のチェックラジオ体操などのストレッチを行います。

2. 午前(8:30~12:00)… 現場巡回・写真撮影など

朝礼後から施工管理の開始です。工事現場の巡回・点検を行い、工事が順調に進んでいるかを確認します。
工程ごとの作業員への指示出し、工事現場の写真撮影なども行います。
工事が安全かつ円滑に進むように、工事現場に危険箇所や問題点はないかのチェック、トラブルが生じた際に調整することも重要な仕事です。

3. 午後(13:00~17:00)… 現場巡回・打ち合わせ・事務作業

昼休み(多くは12:00〜13:00)を挟み、引き続き現場の巡回を行います。
また、現場監督や所長と工事の進捗状況の確認や、翌日以降のスケジュールの調整等の打ち合わせを行ったり、クライアントや業者との打ち合わせを行うこともあります。
午後も工事現場を巡回し、問題なく工事が進んでいるかの進捗確認や危険箇所のチェック、事務所に戻り事務作業の時間となります。
工事現場の写真整理、作業報告書や工程表の作成、メール返信などの事務作業を行います。
その他にも施工計画書の作成や原価計算、行政に提出する書類の作成、発注書や請求書、報告書の作成など、多数の書類作成を行うこともあるでしょう。
事務作業を終えたら退勤となり、一日の業務が終了します。

以上で説明した施工管理の一日の流れはあくまで標準的なもので、雨天や繁忙期、夜間工事、業種などによっても変動することに留意が必要です。

施工管理の仕事が大変と言われる原因

施工管理の仕事は、建設プロジェクトの計画から完成までを監督し、プロジェクトがスケジュール通りに、予算内で、安全かつ高品質で進行することを保証する役割を担っています。
この職務の大変さは以下のような要因から来ています。

複雑な調整と管理

施工管理者は多くの関係者との連携が必要です。
設計者、建設会社、サブコントラクター、供給業者、政府機関、そして時には地元住民など、多くのステークホルダーとコミュニケーションを取り、調整を行わなければなりません。
この複雑な調整がスムーズに進まないと、プロジェクト全体に影響を及ぼします。

時間と予算のプレッシャー

建設プロジェクトは、厳しいスケジュールと予算の制約の中で進行します。
施工管理者は、これらの制約を守りつつ、効率的にプロジェクトを進める責任があります。
予期せぬトラブルや遅延が発生した場合、それを迅速に解決し、プロジェクトを軌道に戻す必要があります。

技術的知識と経験の必要性

施工管理者は、建設に関する広範な技術的知識を持ち、実際の現場での経験も必要です。
建築材料や建設技術に関する深い理解が求められ、現場での迅速な判断が必要とされます。
加えて、新しい技術や規制に常にアップデートされていることも重要です。

安全管理の責任

建設現場は多くの危険が伴う環境です。施工管理者は、現場の安全を確保し、労働者が安全に働ける環境を提供する責任があります。
これには、労働安全衛生法の遵守やリスクアセスメントの実施、緊急時の対応計画の策定などが含まれます。

以上のように、多岐にわたる業務のために、労働時間が長く、休日も少ないのでは?と思われるのでは無いでしょうか。
しかし、現在では働き方改革により、建設業界においてもワークライフバランスの改善が進められています

施工管理における労働環境の改善について

前述の通り、施工管理という職種は工事開始に間に合わせるために朝は早く、工事が終了しても事務所に戻り事務作業があるなど、一般的な労働時間よりも長めです。
それに加え、繁忙期に入ると所定外労働も増えてしまいますし、工期の変更もできないため、場合によっては遅くまで残業したり、休日出勤をする必要が出てくることもあるでしょう。

ですが、日本建設産業職員労働組合協議会(日建協)の「2022日建協時短アンケート」によると、所定外労働時間は毎年減少傾向にあることが分かり、働き方改革の推進により施工管理の労働時間も短くなっていくことが期待できるでしょう。

引用:2022日建協時短アンケート(日建協)
http://nikkenkyo.jp/downL/jitan_digest/2022jitan_digest.pdf

また、これまで建設業では36協定(労働基準法第36条に基づく労使協定)で定めた時間外労働の上限の基準が適用除外されてきましたが、2024年4月1日以降は建設業でも時間外労働の上限が規定されます。
上限を超えた時間外労働や休日労働はなくなるため、施工管理の残業時間の多さも改善していくと思われます。

更に、国土交通省は建設業界をICT(i-Construction)化することで労働環境の改善を図っています。
「ICT(Information and Communication Technology、情報通信技術)」は情報技術(IT)と通信技術を統合した概念で、データの収集・保存・処理・伝送を効率的に行う技術を指します。
施工管理におけるICT化は、これらの技術を活用して建設プロジェクトの効率性と生産性を向上させることを目的としています。

まとめ

施工管理の仕事は、建設プロジェクトの成功に欠かせない重要な役割を担っており、日々の業務は多岐にわたります。朝早くから始まり、現場の巡回や打ち合わせ、事務作業まで、幅広い業務を効率的にこなすことが求められます。
その一方で、複雑な調整や管理、時間と予算のプレッシャー、安全管理など、非常に多くの責任を負うため、大変さも伴います。

しかし、最近では働き方改革やICT技術の導入などにより、施工管理の労働環境も改善されつつあります
特にICT化は、情報の効率的な管理や現場監視の自動化、コスト削減、安全管理の向上など、多くのメリットをもたらしています。
これにより、施工管理の業務はますます効率化され、労働環境も改善されることが期待されます。
施工管理の仕事は、建設プロジェクトを成功に導くやりがいのある職務です。
この記事を通じて、施工管理に興味を持った方々がその魅力と現実を理解し、建設業界でのキャリアを考えるきっかけとなれば幸いです。

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